ここでは「OURHOUR-TRAVELER」(通称あうとら)の世界観について説明させて頂きます。
◆世界設定
体内の魔石に残っている時間エネルギー=寿命(HP)=魔法残存量(MP)=通貨(お金)である世界で、「時間」をテーマとした世界観となっています。このエネルギーは時間経過とともに減少していくので、生きていく上でこの残り時間を増やし続けなければいけません。
身体へのダメージ・毒や風邪などの状態異常・出血・老化・食事を摂らないなどによっても魔石の時間エネルギーが減少します。そして残り時間がゼロになると、事実上の”死亡”となります。ゲーム以外の本編では、残り時間は明確な数値として表せるわけではありませんが、おおよその自分の残り時間が感覚でわかります。平均寿命はおよそ65歳とされています。
また基本的に攻撃魔法は強力で、大型魔物との戦闘や国家間の戦争でもよく用いられるのですが、魔法残存量(MP)=寿命(HP)であるため連発できるというわけではなく、使い勝手はそれほど良くありません。そのため、軍専門の魔法職特化以外の場合は、魔法と並行して近接武器の技術を磨くことが一般的となっています。
この世界では魔石に残っている時間エネルギーを回復する手段、つまりHPを回復する手段が乏しいのですが、後述する魔物から採れた魔石から精製したエキスを摂取することで回復することができます。しかし抽出には高度な技術が必要である上、とても高価なものなので一般人が入手することは困難となっています。そのため、労働の対価として時間をもらうことが一般的となっています。
その他にも、「サピエト草」と言う植物のエキスを大量に抽出・精製して回復薬とすることが出来ますが、費用対効果が薄いということもあって一般家庭ではあまり購入や製作をしません。しかし魔物がうろつく道を進む冒険者や国に使える兵士など、早急な回復が必要とされる人達は緊急用で用意していることが多いです。
0歳~14歳直前までは時間の減少が起こらないため、一般的に子供として扱われています。しかし過度なダメージや深刻な病気にかかると死亡してしまいます。
15歳になると、およそ12年分の残り時間が魔石に溜め込まれて自然減少が始まり、結婚して子供を残すことが出来るようになります。そのため15歳になると、成人を祝う”星成式”が行われ、成人として扱われるようになります。また15歳になると、労働手続き、ギルドの登録証発行、飲酒、煙草、婚姻指輪の作製など、様々なことが許可されるようになります。
結婚は男女がエネルギーの溢れる場所で契りを交わすことで成立し、その際に子供を一人身ごもります。その際に必要なものは、お互いの意思と宝石をはめ込む穴がついた指輪です。結婚が成立し、無事子供を身ごもることが出来ると、指輪にパートナーの魔石の一部がはめ込まれます。一度結婚した者は他の人と結婚を結ぶことが出来なくなりますが、パートナーが死亡した場合は指輪にはめ込まれた魔石が壊れ、結婚の再契約が出来るようになります。
どの国にも所属させない条約が制定されている不戦ノ島は、莫大なエネルギーが溢れる結婚の一大スポットとなっているため、結婚を望む男女で連日賑わっています。
この世界では”12″という数字は神聖な数字とされており、また縁起がいい数字とされているため多くの人に好まれています。
12年ごとに世界的に”星導式”というお祭りが行われ、グローバルに物流や交流が活発になります。また主人公たちが旅を始めたのが星歴1211年なので、翌年の星歴1212年には星導式が開かれますが、12が2つも重なる年なので過去一番に盛大に開催される予定です。何事もなければいいんですけど…。
この創作のテーマは「時間」で、キーワードは「星」「結晶」「華」となっています。
◆神話
この世界には数々の神話が存在しており、神を信仰する宗教も存在しています。全ての神話の原点になる大星典が存在している上に、基本的に神の信仰は自由であるため、これまでの世界史で宗教戦争は起きていません。しかし単一の神を信仰する国家は誕生しています。
また大星典にある通り聖・炎・氷・雷・土・水・風の属性が存在しており、それに加えて一般的には認知されていませんが星属性も神話上の魔法として存在しています。
神話上ではどの魔法も等しく扱っていますが、人間は『戦争に有利な魔法ほど優れている』(戦魔法論)と考え、雷>炎>氷>聖の4属性を上位魔法、土>風>水を下位魔法と分類しています。
神話上では時間ができたからこそすべての生物が存在できるとされており、全ての生き物は時間(魔石の時間エネルギー)に縛られるのが普通であると考えられています。
星と神話の関係は密接につながっており、ほとんどの神話に星の話が存在します。そのため日常的に星と言う単語を含めた話をしますが、大半の人間が星=神のようなものと考えているため星について深く考えることはなく、星についての真相は深く解明されていません。
◆60年前の大戦と現在
約60年前に[ダルケン帝国,シャネーグ連邦,イェルター自由国]VS[ストラル王国,ロイゼル商国,タイラー共栄国]と言う多くの列強諸国を巻き込んだ大規模な世界大戦が勃発しました。
初めはダルケン帝国がストラル王国とタイラー共栄国に攻め込み、精鋭の騎士団を運用して両国の戦線を押し込んでいました。しかしロイゼル商国と同盟を結んだストラル王国は体勢を立て直し、一気に攻勢へを切り替えました。またロイゼル商国と不可侵条約を結んだことにより、一時は戦線の体勢を立て直すことが出来たタイラー共栄国でしたが、シャネーグ連邦の介入により挟撃される形となり、再び苦しい戦いを強いられることとなりました。その後イェルター自由国も帝国陣営に参加し、そちらにも戦力を割く必要が出てきたため、ストラル王国の戦線が押し戻されることとなりました。
最終的に12年周期で開催される星導式の直前で終戦となり、ストラル王国ーダルケン帝国はほぼ戦線が均衡していたため大戦前と変わらず、タイラー共栄国は首都まで攻め込まれていたため敗戦・解体という形になりました。その結果、タイラー共栄国の領土の一部はダルケン帝国とシャネーグ連邦に吸収され、そこされた土地の一部はエルビ民主国と言う新たな国家になりました。
現在は大きな戦争が起きていませんが、特に帝国ー王国間での小競り合いはよく起きています。そのため市民はそれほど意識していませんが、国家や軍役者は常に敵国への緊張感を持っています。
また世界に認知されていませんが、大戦後に旧タイラー共栄国の生き残りの一部が地下都市を築き、ひっそりと暮らしています。
◆生物について
魔物を含む全ての生物には、時間エネルギーが集中している結晶状の”魔石”が存在しており、それが砕かれていなければ肉体が果てても残り続けます。もちろんこれはヒトも例外ではなく、魔物と同じように魔石を砕かれると、しばらくして絶命してしまいます。そのため神話にもある通り、ヒトと魔物の根本的な違いはありません。
しかし、大半の魔物が外界からほとんど見ることができない体内に魔石を宿しているのに対し、一部の高等魔物や人間はその魔石が肌表面に露出していることが多々あります。
魔物や人間などの生物が死亡した際は、その肉体がゆっくりと時間をかけて結晶化していきます。そして結晶化が終わると砂状に崩れ落ち、土の養分となって植物が成長する栄養となります。そのため巨大な魔石を持っていた魔物や、魔力や意思が強い人間が死亡した跡は花畑になることもしばしばあります。
全ての生き物は門・綱・科・属・種の5つの分類段階によって分けられています。
この門には、アリエス門(おひつじ座)、タウラス門(おうし座)、ジェミニ門(ふたご座)、キャンサー門(かに座)、レオ門(しし座)、ヴァルゴ門(おとめ座)、ライブラ門(てんびん座)、スコーピオ門(さそり座)、サジタリウス門(いて座)、カプリコーン門(ヤギ座)、アクエリアス門(みずがめ座)、ピスケス門(うお座)の計12門あり、それぞれの門に応じた加護や変化を魔石にを与える場合があります。
例えば人間の場合、ジェミニ門 スピナー綱 サピエンス科 ヒト属 デミフィニス種 と表記されます。